シベリア少女鉄道「残酷な神が支配する」

シベ少を観に吉祥寺へ。
電車が止まって最初の10分ぐらい見損ねた。


いつも通り、最初はさんざんシリアスな話で振っておいて
後半、物語の構造でオトすメタ演劇なんだけど、
今回は回転舞台がネタで、3つの場面を行き来しつつ
犯人との心理戦を行うサスペンス仕立て。


ずばり説明されている方を引用。


>真犯人を特定するのを妨げていたたったひとつの謎、
>「犯人は、どうやって部室のロッカーに人質を運び込んだのか?」が、
>「カフェテリアと部室のロッカーが隣り同士に繋がっていたから」なんて
>ありえない!「3部屋は、同じ大学構内にあるけど距離的に離れている」
>というのは観客のまったくの思い込みで、3部屋が隣りあっているのは
>セットのせいではなくて「現実にそうだった」


「世界は書き割りで出来ている」のを自覚している俺たちだけど
「舞台は書き割りで出来ています」なんて思いついたって普通は言わない。
そんな馬鹿馬鹿しい事をいつまでも繰り返しやろうとするシベ少の潔さ。


アントニオ猪木という神の手に回させる舞台は感慨深いけど、
やっぱ残念なのは、王子小劇場時代のような
爆笑の連続ではなくなってしまった事。力ワザも前回の方が凄かったし。
メタの笑いは、いつしか俺は楽しめない中原昌也みたいになっている。


前回ぐらいから予め客にオチを教えちゃっているけど
もう客は敢えてそれを楽しめっていう感じに舵を取ったのかな。
それが、どういう意図かは分からない。